出荷に向けて乾燥作業が始まった大鹿唐辛子

出荷に向けて乾燥作業が始まった大鹿唐辛子

長野県 伊那路 特産

信州の伝統野菜「大鹿唐辛子」 地元の魅力発信へ

信濃毎日新聞(2019年11月8日)

 大鹿村特産の「大鹿唐辛子」の刈り取りが終わり、出荷に向けて天日で干す作業が始まった。甘みを感じるまろやかな辛みが特長で、2012年から七味唐辛子製造の八幡屋礒五郎(長野市)に出荷。個人客や飲食店経営者らの好みに合わせて調合する「オリジナル七味」の素材として採用されている。9月には県の「信州の伝統野菜」にも選定され、生産組合や村は、地元の魅力発信につなげようと意気込んでいる。

 大鹿唐辛子は、実が長さ10〜15センチほどの細長い形。果肉に甘みがあり、辛さの中に独特のうま味が感じられる。「大鹿唐辛子生産組合」の組合長を務める多田周司さん(77)が1950年代半ばに村内で栽培していた人から譲り受けて自家用に栽培を始め、2013年には10軒ほどの農家で同組合を設立。現在は約15アールの畑で年間約300キロを生産している。

 村内ではこれまでに大鹿唐辛子を使った漬物や一味唐辛子を商品化。今夏には八幡屋礒五郎を通じて都内の飲食店経営者らが企画したスイーツ用の唐辛子商品にも採用された。アイスやシュークリームにかけるなど斬新な組み合わせも提案されている。

 多田さんは「実の乾燥や出荷前の選別といった手間がかかるが、知名度が高まることで村内で栽培する人が増えるといい」。村産業建設課の木下雄貴さん(30)も「大鹿唐辛子が広まることで、大鹿村の名前が知られることにもつながる」と期待している。

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