長野市戸隠地区で、ソバの花が見頃を迎えている。戸隠連峰などを望む地区内のあちこちで花が咲き、そばの里が一面白色に染まっている。
遊休農地でソバを育てている塚田厚さん(60)は、2010年ごろから地域で盛んだった葉タバコの栽培をやめ、ソバの専業農家になった。一帯では農家の高齢化が進み、葉タバコは減産が奨励されたこともあって遊休荒廃農地が増加。有効活用を考え、管理するソバ畑は当初の50アールほどから22〜23ヘクタールに広がった。
戸隠では他にも、地元そば店の関連会社などが遊休農地でソバを栽培している。塚田さんは効率的な栽培に向けて畑の集約化も図っており、「そばは戸隠の中心的な産業。質の良いソバを安定的に育てて収穫できるようにしていきたい」と話す。
戸隠地区内でブルーベリーを育てている広瀬則夫さん(71)は「何もしないと農地が荒れるばかり。畑のためにもなるし、良いことだと思う」と期待していた。