ケケケケ...。上田市菅平高原の林でエゾハルゼミが盛んに鳴き声を響かせている。この時季に地上に出てくる小型のセミで、県内では標高800メートル以上の場所に生息。筑波大山岳科学センター菅平高原実験所の樹木園で7日、オレンジ色の腹部を震わせて鳴く姿を見ることができた。
実験所でセミの研究をしている大学院博士後期課程1年の湯本景将(けいすけ)さん(24)によると、全長4センチ余(雄)で北海道―九州に生息。関東周辺では平地におらず、山が多い地域ならではのセミだという。日の当たる高い枝先で鳴くため、姿を見る機会は少ない。曇ったり、気温が低かったりすると鳴かない。
湯本さんは「初夏の訪れを告げるセミ。声は身近だが、セミだと認識している人は少ないのではないか」と話した。