諏訪郡下諏訪町の諏訪大社下社で1日、ご神体の御霊代(みたましろ)を秋宮から春宮へ移す「遷座祭」が開かれた。祭事に奉仕する「御頭郷(おんとうごう)」の今年の当番を務める茅野市の豊平、泉野、玉川地区の氏子や神職ら計約200人の行列が、御霊代を載せたみこしを運んだ。
山にいる神が、春になると里に下りてきて農耕を見守るという信仰に基づいた儀式。秋宮で神事を行った後、白装束に身を包んだ氏子らが、薙鎌(なぎがま)や矛を手に春宮までの約1・4キロを厳かに歩いた。途中、神楽殿や大門通りにある下馬橋などを慎重にくぐりながら、みこしを運んだ。
沿道では地元住民や観光客らが見守った。御霊代を載せたみこしとは別のみこしに、さい銭を投げ入れる住民もいた。春宮近くに住む男性(82)は幼少のころから毎年儀式を見続けてきたといい、「諏訪はまだまだ寒いが、この儀式があると、もうすぐ春という感じがするね」と話していた。