立春の4日朝、諏訪の最低気温は氷点下8度まで冷え込んだが、諏訪湖は薄氷のままで、全面結氷には至らなかった。湖の氷がせり上がる「御神(おみ)渡り」を認定・記録する八剣神社(諏訪市小和田)の宮坂清宮司(64)は「非常に厳しい状態」と話し、今冬は2季連続で御神渡りが発生しない「明けの海」となる可能性が高まった。22日に同神社で開く「注進奉告(ちゅうしんほうこく)式」で最終的な報告をする。
午前6時40分ごろ、宮司と大総代ら八剣神社関係者8人が、諏訪市豊田の舟渡橋から双眼鏡などで湖を観察。今月に入り、全面結氷の目安となる氷点下10度近くの冷え込みが4日続いたが、湖面では水鳥が泳ぐ姿が見られた。集まった人たちは「気象条件は非常に良かったのだが...」と残念そうに話していた。
今冬は1日も全面結氷の日がなく、宮坂宮司は「もう立春。日に日に春めくような日差しになってきており、今冬の御神渡り出現は厳しい」と結んだ。毎朝続けてきた総代による監視についてもこの日で一区切りとし、5日以降は関係者が冷え込みの様子を見て、その都度観察する。