4月5日に開幕する善光寺(長野市)御開帳の象徴「回向(えこう)柱」が、東京・銀座の県情報発信拠点「銀座NAGANO」にも立つことになった。本物の回向柱を切り出した杉の余材を使い、高さ2・5メートル、20センチ角。善光寺まで遠く前立(まえだち)本尊との縁をつなぐ「善の綱」こそないものの、大都会の善男善女に向けた御開帳のPRに一役買いそうだ。
ミニ回向柱には、正面に「善光寺回向柱寄進建立記念」の筆文字を印字。今月末に銀座NAGANOに運び、県内の物産が並ぶ1階正面を入ってすぐの場所に据え付ける。県によると、天井に届きそうな高さで存在感十分といい、本物より一足早い4月1日から御開帳が終わる5月31日まで客を迎える。
高さ10メートル、45センチ角の本物を善光寺に奉納する長野市松代町の「善光寺回向柱寄進建立会」に県が協力を打診し、実現した。当初は本物のように五色の「善の綱」を結わえ、店内で前立本尊の写真などにつなぐ案もあったというが、「ぜひ長野に来て本物に触れてもらおう」と、観光用モニュメントにとどめた。
「『これって何の柱?』と興味を持ってもらい、御開帳への関心が深まれば」と県信州ブランド推進室の担当者。傍らの資料では御開帳や回向柱の説明とともに松代町も紹介する予定で、建立会事務局長の細川隆男さん(65)は「大いに話題にしてもらい、松代にも大勢の方に足を運んでもらいたい」と期待している。