長野市の善光寺で1日、大勧進の小松玄澄(げんちょう)貫主(81)が5日に開幕する御開帳のシンボル「回向(えこう)柱」に、梵字(ぼんじ)などの文字を書き入れた。5月31日までの期間中、多くの参詣者が願いを込めて触れる柱だけに、小松貫主は「阿弥陀(あみだ)さんと縁を結んだという気持ちで触ってもらえるよう、気を入れました」と話した。
山門隣のテントに横たえられた長さ10メートル、45センチ角の回向柱の上に小松貫主は座り、大ぶりの筆を手に、一文字一文字に集中。仏教で宇宙を表す「空」「風」「火」「水」「地」の梵字や前立(まえだち)本尊の厨子(ずし)を開く意味の漢字を、白く滑らかな木肌にたっぷりの墨で書き付けていった。
「いよいよ御開帳が来たという思い」と小松貫主。回向柱は3日に本堂前に建てられ、4日の開眼法要で前立本尊と「善の綱」で結ばれて御開帳開幕を待つ。