須坂市政策推進課内の「信州須坂移住支援チーム」は8月上旬、同市八町に移住体験ハウスを開所する。高甫小学校のすぐ東側にあり、8年ほど前から空き家だった旧教員住宅を改修した。今後、移住希望者が市内を訪れた際に地域住民らと交流する場にしたり、市内での暮らしを体験する宿泊施設として活用したりする予定だ。
建物は木造平屋。和室が3部屋(計約30平方メートル)、台所、風呂、トイレを備える。周囲はブドウ畑や市の伝統野菜「八町きゅうり」を栽培する畑が広がり、県史跡「八丁鎧塚(はっちょうよろいづか)古墳」から約1キロの場所にある。支援チームは「果樹栽培が盛んな須坂市の特長や地域の歴史を知ってもらう上で、良い場所に位置している」とする。
昨年4月に発足した支援チームは、都内で開かれる移住フェアに参加しているほか、移住希望者が市内を訪れる「移住体験ツアー」を定期的に開催。移住希望者が市内を訪れた際の拠点がほしいと考え、4月に市教育委員会から旧教員住宅を譲り受けた。
長年使われていなかったため、支援チームで活動する地域おこし協力隊の和田央士(おうじ)さん(25)が中心となって建物を改修。畳の表替えや雨どいの修理は業者に依頼したが、障子の張り替えや風呂場の壁の塗り替えなどは支援チームを中心に行った。
家具や食器は市職員らに提供を呼び掛け、地域に住む年配者からは桐(きり)たんすの提供を受けた。和田さんは「地域住民の協力で、どこか昔懐かしい雰囲気の家になった。須坂市の魅力を発信する拠点にしたい」と話している。
8月25日に開く移住体験ツアーで移住体験ハウスの活用を予定。今後、同市への移住希望者が1泊程度、宿泊できる仕組みを考えている。