長野市松代町の真田宝物館は企画展「真田家のたから―大名道具の世界―」を開いている。金や銀で装飾された武具や婚礼道具など、華やかな大名文化を象徴する江戸期の33点を並べている。11月30日まで。
松代藩7代藩主・真田幸専(ゆきたか)の甲冑(かっちゅう)は、かぶとに金色のとんぼの前立てがあしらわれているのが特徴。とんぼは後ろ向きに飛ばないことから「勝ち虫」と呼ばれていたという。六文銭が施され、金銀で飾られた刀剣のほか、黒の漆に蒔絵(まきえ)が施された棚や小箱といった婚礼道具も見ることができる。武家のたしなみとされた香道具の中には、携帯用の小さな物もある。
企画展初日の9日には同館職員が展示品を説明するギャラリートークがあり、約30人が参加した。「細部まで丁寧に表現されている」との解説に、参加者は展示ケースに顔を近づけ、熱心に見入っていた。佐藤さわこさん(83)=松代町松代=は「どんな生活をしていたのかがよく分かる。優雅な世界ですね」と話していた。
ギャラリートークは9月12日午前10時からも開催。10月25日午前10時と午後1時からは、展示物にちなみ、お守りを入れる筒型の入れ物を千代紙で作るワークショップ(体験型講習会)を開く。
入館料は一般300円、小中学生120円。祝日を除く火曜日休館。