来春の諏訪大社御柱祭に向け、下社御柱用材のモミの巨木8本が、伐採現場の諏訪郡下諏訪町・東俣国有林から搬出され、26日までに山出しの出発点となる県道八島高原線沿いの「棚木場(たなこば)」に勢ぞろいした。立ち寄った人たちは早速、眺めたり写真に収めたりし、4月8日からの下社山出しに思いをはせていた。
8本は今年5月から6月にかけて伐採。岡谷市の業者が今月9日から重機などを使って国有林から出し、1本ずつトラックで運んだ。25日に大社の神職が神事をして用材を清め、四方にしめ縄を張り、木札を付けた。
用材は正面左側に「春宮一」、右側に「秋宮四」の順。最も太い「秋宮一」は、伐採時の目通り(目の高さ)周囲が3・35メートルある。26日、新潟県上越市から観光に来て立ち寄ったという浅野弘子さん(73)は「8本並んだところが見られて幸運。本当に大きいですね」と感激した様子。「本番も見てみたい」と楽しみにしていた。
下社の大総代でつくる下社三地区連絡会議の土田忠会長(82)=下諏訪町=は、30日に現場を訪れる予定。「いよいよだと、気が引き締まる思い」と話した。
上社側の御柱用材8本は今月中旬、上伊那郡辰野町の横川国有林から仮搬出され、麓の複合施設「かやぶきの館」に置かれている。