富士見町の高原のミュージアムは来年1月24日まで、旧富士見高原療養所(富士見高原病院)で晩年を過ごした画家竹久夢二(1884〜1934年)と、中野市出身の作曲家中山晋平(1887〜1952年)をテーマにした企画展を開いている=写真。夢二が装丁した晋平の楽譜や、町が購入した夢二の木版画など約50点が並ぶ。
夢二と晋平は、劇作家島村抱月(1871〜1918年)を通して接点があり、明治時代から顔見知りだったとされる。夢二は抱月に画才を見いだされ、終生恩師として尊敬。晋平は上京後、抱月の家に書生として住み込んだ。
1930(昭和5)年に出版された「中山晋平作曲全集」は1曲ごとに夢二が絵を描いた。全27曲のうち26曲の木版刷り装丁画を展示。各曲ごとに洋服姿の女性がワイングラスを持つ姿、遠くを見ながらたたずむ男性、物憂げな表情の女性などを描いている。
夢二がデザインを手掛けた雑誌「婦人グラフ」の表紙画、晋平の童謡を紹介する映像の上映もある。担当の町職員村松さやかさん(30)は「竹久夢二のさまざまな画風を楽しめる。中山晋平の全集がここまでそろう機会も珍しい」と話している。
午前9時半〜午後5時。月曜休み。高校生以上300円。小中学生150円。問い合わせは同ミュージアム(電話62・7930)。今月8、12日にスチレンボードを使った版画作り、1月17日に童謡コンサートがある。