上田市の市交流・文化施設サントミューゼで5日、城郭研究者で奈良大学長の千田嘉博さんとNHK大河ドラマ「真田丸」の時代考証を担当する平山優さんによる講演があった。上田市などが主催し、約250人が聞いた。
千田さんは、ドラマの主人公・真田信繁(幸村)が大坂城の南東方向に築いたとりで「真田丸」の機能を解説。最新の研究を基に、真田丸は大坂城側にも防御施設を備える「独立した城」だったとした。「真田丸は徳川軍の側面を突く立地」とした上で、上田合戦の際に上田城で敵の側面を突く戦法をとった父・昌幸と共通する―と指摘した。
平山さんは、武田家滅亡後の上杉、北条、徳川の3氏による旧武田領国をめぐる争いを「昌幸が飛躍するバックボーン」と位置付けた。最新の研究で、東信地方と上野(こうずけ)(現群馬県)を支配していた滝川一益は自主的に上野の沼田城、岩櫃(いわびつ)城を昌幸に返した―とし、大河ドラマでは「劇的に見せるため、昌幸が奪い取る設定になった」と話した。
講演会の後、「歴史アイドル」で信州上田観光大使の小日向えりさんを交え「真田丸」の今後の見どころなどを話すトークショーもあった。