井出さん(右端)の指導を受けながら水中ポールウオーキングを体験する参加者

井出さん(右端)の指導を受けながら水中ポールウオーキングを体験する参加者

長野県 上田・小諸 温泉

鹿教湯温泉「健康の里」PR計画 リハビリや認知症予防

信濃毎日新聞(2016年9月16日)

 上田市鹿教湯温泉の住民が、古くから湯治場として親しまれる地域のイメージを生かした街づくりを始める。地元の病院や宿泊施設と協力し、リハビリテーションをはじめ、認知症予防や健康増進に取り組む拠点「健康の里」としてPRする計画だ。手始めに、10、11日にはウオーキング用のポールを持って水中を歩く「水中ポールウオーキング」の体験会や専門家による講演会を開いた。

 市は5月、温泉での宿泊型介護予防・認知症予防事業に向けて協力する理学療法士の団体や環境省と「温泉を活(い)かした健康づくりに関する協定」を結んだ。これを機に、鹿教湯温泉では住民グループ「鹿教湯温泉100年ブランド創造プロジェクト」の有志が「健幸(けんこう)都市推進事業」実行委員会を発足。実行委を主体に水中ポールウオーキングなどの運動療法を取り入れながら、健康づくりに積極的な地域の特色を出すことにした。

 実行委は10日、温泉プールを備えた健康増進施設「クアハウスかけゆ」で水中ポールウオーキングの体験会を開催。健康運動指導士の井出翔太さん(28)=上田市鹿教湯温泉=が講師を務め、参加した男女7人にポールの使い方や水中での歩き方などを教えた。

 「最初はポールが邪魔だと思っていたが、やってみたらポールのある方が歩きやすい」と参加者の丸山千紗枝さん(77)=上田市上丸子。無意識のうちに疲労を感じ「(運動)効果があると思う」と驚いた。理学療法士の荻原啓文さん(27)=東御市八重原=も体験会で初めて水中でのポールウオーキングを経験したが、「水中なので体の負担が少なく、心肺機能の強化にもつながる。病気の予防や、退院後のリハビリにもいい」と活用に期待していた。

 11日には県厚生連鹿教湯三才山リハビリテーションセンター鹿教湯病院で水中ポールウオーキングの研究者が講演した。運動療法としての効果や可能性について、同病院関係者ら37人が聞いた。

 井出さんは「陸上では足の痛みで歩けないような人も、水中で楽しんで歩けるようになるような取り組みをしたい。『健康の里』としてのイメージを定着させたい」と意気込んでいる。

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