新海誠監督(南佐久郡小海町出身)の公開中のアニメ映画「君の名は。」の登場人物が暮らす町の風景は、諏訪湖周辺をモチーフにしたのではとファンの間で話題になっている。諏訪市郊外の高台にある立石公園からの眺めに似た風景が登場。漫画やアニメの舞台を訪ねる「聖地巡礼」のファンが県内外から同公園を訪れ、映画の世界に浸っている。
作品は、離れた地で暮らす高校生の男女が夢を通じて不思議な出会いと恋をする物語。8月26日に全国公開され、9月19日までの入場人員は698万人、興行収入91億円の大ヒットとなっている。
ヒロインの三葉が住む架空の「糸守(いともり)町」には円い大きな湖がある。インターネットなどで諏訪湖がモデルではないかと話題になった。湖全体を見渡せる立石公園がファンを引きつけている。
21日、愛知県東海市の会社員湯田翔希さん(20)は「映画が良かった」ので同公園を訪れた。「ここから諏訪湖を眺めていると、映画のシーンと同じ雰囲気を感じる」と話し、諏訪湖を一望する写真を熱心に撮った。諏訪市によると、駐車場には県外ナンバーの車が目立っている。
一方、立石公園では20日に長さ52メートル、高低差15メートルの大型滑り台で遊んでいた関東地方の男性(20)が転落防止柵にぶつかり、右脚を骨折した。男性は映画を見て訪れたという。滑り台が雨でぬれており、速度が出過ぎたのが原因とみられる。
市は、ぬれている時は滑り台を使わないように呼び掛けていた。今後もファンが訪れるとみており、注意を促す看板を増設するまで滑り台を使用中止にした。