西光寺の竹沢さん(中央)から地獄絵の絵解きを聞く富山県立山博物館の関係者ら=30日、長野市

西光寺の竹沢さん(中央)から地獄絵の絵解きを聞く富山県立山博物館の関係者ら=30日、長野市

長野県 長野市周辺 祭り・催し

軽妙な語り、絵解きの地つなぐ 長野で富山の学芸員らと交流

信濃毎日新聞(2016年12月1日)

 富山県立山(たてやま)町の県立立山博物館の学芸員と会員ら38人が30日、長野市北石堂町のかるかや山西光寺を訪れ、副住職の妻の竹沢環江(たまえ)さん(52)と長野郷土史研究会の小林玲子副会長(64)=長野市=が当意即妙な語り口で仏画を解説する「絵解き」を聞いた。

 同館学芸員で「立山曼荼羅(まんだら)」の絵解きを伝えている加藤基樹さん(41)が「絵解き文化を持つ同士で交流しよう」と小林さんに依頼した。

 竹沢さんと小林さんは西光寺に伝わる「十王巡り」や「善光寺縁起」など五つの絵解きを披露。江戸時代に描かれたという「六道地獄絵」の絵解きでは生前の行いに応じた罪滅ぼしについて解説した。仏教の五戒で飲酒が禁じられていることを聞き、うつむく男性も。竹沢さんが「ほどほどにという戒めです」と話すと、会場から笑いが起きた。

 竹沢さんは「一時、伝承が途絶えた絵解きを義理の母が約40年前によみがえらせた。現代の人に伝わるよう軽妙な語りを大切にしています」。加藤さんは「型にはまらない絵解きで勉強になりました。今後も交流を深めていきたい」と話していた。

今月のお得な国内ツアー びゅう

長野市周辺 ニュース