英語版やハングル版のテスト画面を表示させるヤマテンの猪熊社長

英語版やハングル版のテスト画面を表示させるヤマテンの猪熊社長

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山の天気予報、外国人にも 茅野の会社、英語とハングルで

信濃毎日新聞(2018年6月20日)

 茅野市の山岳気象予報会社「ヤマテン」が、外国人登山客の増加に対応して英語版とハングル版の情報配信サービスをスタートする。現在の日本語版と同様、全国18山域・59山の山頂の気象予報を2日先まで、6時間ごとに提供する。7月1日に英語版はパソコンとスマートフォンで、ハングル版はパソコンで利用できるようにする。

 提供する情報は天気、気温、風速、風向きと、お盆や年末年始、大型連休の前に発表する週間予報、雨雲レーダーなど。目的の山の名前が分からない外国人も、トップページの日本地図から直接アクセスできるようにする。

 長野県内では、八ケ岳、北アルプス、中央アルプス、南アルプスの計約30山の情報を提供する。

 日本語版に掲載している気象予報士の解説や毎週木曜日の「今週末のおすすめ山域」は、英語版などでは閲覧できないが、低体温症や沢の増水、落雷といった生命に関わる情報は「警戒情報」として抜き出して提供し、注意を促す方針だ。

 観光庁の宿泊旅行統計調査によると、長野県の外国人延べ宿泊者数は2016年に100万人を突破し、17年は131万8520人に上った。県観光部によると、外国人登山客数の統計は無いが、「着実に増えている」とみている。

 これに伴い、県内の山域では外国人登山客の遭難事故も発生するようになった。中央アルプスでは、13年に韓国人パーティーが遭難して4人が亡くなる事故が起きている。

 ヤマテンの猪熊隆之社長は「韓国には標高2千メートル超の山が無く、本格的な登山の経験者が少ない。欧米はハイキング感覚で軽装の人が目立つ」と指摘。「落雷や暴風の可能性を把握できれば、危険を回避できるはず」と話している。

 同社は山小屋にチラシを置くなどして英語版、ハングル版をPRする。利用する際は「ヤマテン」のホームページから会員登録する。利用料金は月額300円(税別)。

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