閉校した三水第二小学校で醸造所の開設計画について話し合う(左から)羽生田さん、小野さん、高野さん=飯綱町

閉校した三水第二小学校で醸造所の開設計画について話し合う(左から)羽生田さん、小野さん、高野さん=飯綱町

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閉校校舎、シードル醸造所に 飯綱町のリンゴ農家ら

信濃毎日新聞(2018年9月5日)

 上水内郡飯綱町のリンゴ農家らがリンゴの発泡酒シードルの地元醸造を目指して新会社「北信五岳シードルリー」(飯綱町)を設立し、来年2月に醸造を始める。3月に閉校し、町が仕事を通じた交流の場などとして再活用を計画する三水第二小学校の校舎を活用。リンゴの生産が盛んな飯綱町でシードルを新たな文化として育み、リンゴ産地の活性化につなげる。

 計画によると、10月から旧職員室を改装し、醸造設備を搬入して醸造所にする。名称は「林檎(りんご)学校醸造所」。大型タンクではなく、あえて千リットル以下の小規模なタンク9基を導入。複数のリンゴ農家からシードルの生産を受託し、農家ごとの個性を生かした多様な銘柄を醸造する。合併前の旧三水村が英国から譲り受けた、加工に向く海外品種のリンゴの活用も視野に入れる。

 新会社を設立したのは、飯綱町のリンゴ農家出身で、シードル普及団体の日本シードルマスター協会(東京)代表理事の小野司さん、同町で農家民宿を営みながらリンゴを栽培する高野珠美さん、リンゴ栽培や加工品販売を手掛ける「はねげん」(長野市)の羽生田清さんの3人。シードルのイベントで知り合い、地元産リンゴを使うシードル醸造所の実現で意気投合した。

 17年12月に醸造所の運営会社として「北信五岳シードルリー」を設立し、小野さんが社長に就いた。廃校の一部を利用することで、初期投資を抑える。在庫リスクが少ない委託醸造を中心に始め、その後、醸造所の見学や体験を受け入れる「シードルの学校」としてシードルのファンを増やしていく考えだ。

 北信地方にはシードル専門の醸造所がないという。小野さんは「リンゴの産地としてシードルの造り手を育て、愛好家も増やして地域の文化にしたい」としている。

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