マツタケ産地として知られる諏訪市湖南の後山(うしろやま)地区で、今季の収穫が始まった。夏の厳しい暑さは作柄に影響せず、8月後半から気温が下がり、雨が多かったこともあって生育はいつもの年より1週間から10日ほど早いという。昨年の収量は例年の1割程度と極端な不作でマツタケ料理の店も開けなかっただけに、地区の人たちは「今年こそ豊作に」と期待を高めている。
後山地区でマツタケ料理を提供する「松茸(まつたけ)山荘」を経営する遠藤猶善(なおよし)さん(68)は11日、知人と標高約1300メートルのアカマツ林に入山。急斜面では、マツタケが湿った落ち葉を押し上げて顔を出していた。5、6本まとめて生えている場所もあり、遠藤さんは「今年は猛暑で心配したが、昨年よりはだいぶ良さそうだ」と喜んだ。
遠藤さんによると、マツタケは地中の温度が15度に下がると順調に育つ。県内に近づいた相次ぐ台風による雨で山の湿り気は十分で、天気予報ではこの先も当面は厳しい残暑はなさそうだ。
遠藤さんは収穫が本格化するのは1週間後と見込み、22日に店を開店する予定。昨年は営業できなかったが、今年は常連から早速予約が入っている。「お客さんが楽しみに待っているので頑張って収穫したい」と話していた。