福井県福井市出身の作家津村節子さんの企画展が10月26日、福井市の福井県ふるさと文学館で始まった。福井に住んでいたころの写真や、自身と夫の吉村昭さん(1927~2006年)の直筆原稿などが並び、作家になるまでの変遷や、作品への思いが伝わってくる。
津村さんが特別館長を務める同文学館と、東京都荒川区立ゆいの森あらかわ吉村昭記念文学館の「おしどり文学館協定」締結1周年を記念した企画。福井のことを書いた津村さんの自筆原稿や、90歳になってなお、先に進みたいという思いを込め「明日への一歩」と書いた色紙などを展示。順化尋常小入学時の記念写真(1935年)や吉村さんとの結婚式の写真(1953年)なども並んでいる。今年6月に撮影した津村さんのインタビュー上映もある。
記念文学館が所蔵する吉村さんのエッセー「夫婦同業のこと」の自筆原稿(複製)なども展示され、夫婦の深い絆が伝わってくる。
28日午後2時から福井市の県立図書館で、直木賞作家の出久根達郎さんが、津村さんと吉村さんの文学の魅力について講演する。企画展は来年1月23日まで。