諏訪湖に注ぐ諏訪市の上川で、産卵のために遡上(そじょう)するワカサギを「上りやな」と呼ばれるわなで捕獲し、全国の湖沼に出荷する卵を採る作業が始まっている。19日は早朝、やなを仕掛けた渋崎採卵組合の組合員が作業。今年は個体数が多く、採卵できる状態への成長も遅れており、遡上する数はまだ少ないが、順調にいけば4月には作業のピークを迎えそうだという。
上りやなは、河口から約800メートル上流に設置。川を横断するように足場を組んで網を仕掛け、ワカサギを捕まえる。この日は4・2キロを捕まえ、組合員が手搾りで採卵。伊藤忠雄組合長(79)は「採れるワカサギの量はこの時季としては少ないが、卵は昨年より採れている。4月になればもっと採れるのではないか」と話した。
ワカサギの卵の受注・出荷を担う諏訪湖漁協(諏訪市)によると、採卵は諏訪湖に流入する岡谷市、下諏訪町の河川でも行われ、ピークは4月中旬〜下旬とみる。2016年夏のワカサギ大量死の影響で、17、18年はほとんど採卵ができなかった。同漁協の武居薫組合長(68)は「今年は順調に採卵できるといい」と期待している。