室町時代から江戸初期のものとされる甲冑

室町時代から江戸初期のものとされる甲冑

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上杉家伝来の武具、間近で 長野市立博物館で企画展

信濃毎日新聞(2019年6月8日)

 長野市立博物館が23日まで、武田信玄と上杉謙信が繰り広げた「川中島の戦い」にまつわる武具や、上杉家伝来の甲冑(かっちゅう)、宝物などを展示する企画展「サムライの威容」を開いている。佐久市、飯山市の教育委員会や寺などから借り受けた計41点を展示。

 川中島の戦いで、上杉謙信が使ったとされる「馬標(うまじるし)」は、扇型の縦横約1・5メートル。戦で大将の所在を示すために掲げたといい、黒字に赤い日の丸が浮かぶデザインだ。他にも謙信の所有とされる「軍配団扇(うちわ)」や、漆を塗り重ねてから削って文様を表す堆朱(ついしゅ)塗りの丸盆などが並ぶ。

 室町時代から江戸初期にかけてつくられた甲冑(かっちゅう)15点も展示。上杉家や伊達家などに伝わるものといい、同館学芸員の原田和彦さんは「時代や家ごとの違いを見比べて楽しんでほしい」。武器が弓矢から鉄砲に変わった頃に、より身軽に動けるよう甲冑が軽量化したことや、戦が減ると装飾品としての色合いが濃くなる様子も見てとれるという。

 目を引くのは、謙信の養子になった上杉景勝が武家の成人式に当たる「具足始(ぐそくはじめ)」で着用した甲冑。白と緋色(ひいろ)の糸で金具を編んで作っており、原田さんは「当時の最高級品がこれだけきれいに残っているのは貴重。伝統技術の精巧さをぜひ間近で見てほしい」と話している。

 月曜日休館。午前9時から午後4時半まで。入館料は一般300円、高校生150円、小中学生100円。問い合わせは同館(電話026・284・9011)へ。

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