食通・北大路魯山人は、自ら腕をふるった料理を盛るにふさう食器を求めて、自ら器を焼いた。魯山人がデザインした陶器で会席料理を楽しむ催しが6月8日、福井県福井市のユアーズホテルフクイ内「日本料理橘」であり、旬の料理と器が織りなす芸術に24人が浸った。
福井市美術館で7月7日まで開かれている「北大路魯山人展」(同美術館、福井新聞社でつくる同展実行委員会主催)の関連イベント。鳥山恵輔料理長が、同展で販売されている魯山人のデザインによる陶器約50種類から4種類を厳選し、会席料理8品のうち前菜3種とお造りを盛り付けた。
前菜3種のうち、煮アワビは越前産を赤色で絵付けされた小皿に盛り付け、鳥山料理長は「魯山人はアワビが好きで、お酒に合う料理を前菜に持ってくることが多かった」と説明。カニがデザインされた丸皿には、旬の越前産シマガツオや三国産甘エビのお造りを盛った。
魯山人展を観覧した参加者は「印象的だった器が使われ、料理が映えていた」と話していた。