2014年9月の御嶽山噴火災害から27日で5年となるのを前に、麓の木曽郡木曽町の原久仁男町長と同郡王滝村の瀬戸普村長が16日までに信濃毎日新聞のインタビューに応じた。ともにこの間、安全対策を進めてきたとし、引き続き力を入れると強調。山頂の剣ケ峰(3067メートル)と王滝頂上(2936メートル)を結ぶ村内の登山道の入山規制については、原町長は解除への期待感を示した一方、瀬戸村長は慎重な検討が必要とした。
両町村は火口からおおむね1キロ圏内で入山を規制している。瀬戸村長は、村が9合目から王滝頂上までの登山道の規制解除を目指して安全対策を進めているものの、完了の見通しが立っていないことについて「工事は安全第一。3千メートル近い場所なので作業員に無理をさせてはいけない」とし、今秋の解除にこだわらない考えを説明。解除のタイミングは「天候次第」とした。
規制を解除しない場合でも、安全対策が終われば、被災者の遺族や行方不明者の家族の入山を許可することも検討するとした。一方、剣ケ峰と王滝頂上を結ぶ登山道の規制解除については「語るのは時期尚早」とした。
原町長は、この区間の登山道の規制が解除されれば、登山者が両町村間を行き来するルートを確保できるとし、「解除の話が進むことを期待している」とした。町が剣ケ峰にシェルター(退避壕(ごう))を設け、今年は7月から10月16日に限定して登山道の規制を解除していることには「本当は通年で開けたい」とし、規制解除を通年に広げる議論を始めたいとの意向も示した。