笏谷石でできた盤の複製について説明する近藤社長(右から2人目)=9月26日、福井県福井市の福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

笏谷石でできた盤の複製について説明する近藤社長(右から2人目)=9月26日、福井県福井市の福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館

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朝倉氏遺跡から出土した「盤」複製を寄贈 福井市の資料館に展示へ

福井新聞(2019年9月28日)

 福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡から出土した「盤」の複製が9月26日、同市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館に寄贈された。国の重要文化財に指定されている本物と同じ笏谷石(しゃくだにいし)で再現した精巧な2点。生け花の水盤として館内ロビーに飾り、来館者に触れてもらう。

 同資料館によると、複製が作られた盤はともに室町後期のもので盆栽の鉢などとして使われたという。この時期の盤は土器で作られたものが多いが、同遺跡では笏谷石製のものが多く見つかっている。

 2点のうち、直径約50センチの盤は、朝倉義景の母光徳院が住んでいたとされる「中の御殿」跡で1974年に見つかった。直径約40センチの盤は82年、寺社と町家があった一乗谷の「赤淵」で発掘された。

 複製は同市の福井窯業が2015年に作った。約1年かけ材料に適した笏谷石を探し、キャリア50年超の職人が約4カ月かけ盤を支える3つの「脚」を丁寧に削り出した。同遺跡など福井、勝山両市の「石」に関連する文化財が日本遺産に認定されたことを受け、寄贈を決めた。

 同社の近藤登幹夫社長は「複製を通し、朝倉文化や一乗谷にいた人の暮らしぶりを分かってもらえれば」と話していた。同館の向出宏二館長が近藤社長に感謝状を贈った。

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