県諏訪地域振興局は14日、真冬の諏訪湖にはほぼいないはずの渡り鳥カンムリカイツブリが1788羽もいることを確認した。県環境保全研究所(長野市)によると、カンムリカイツブリは晩秋に北方から諏訪湖に訪れ、通常は冬の到来とともに南下する。同所は「今冬は南下せずに諏訪湖にとどまっている可能性がある」とし、暖冬の影響を指摘している。
カンムリカイツブリは県版レッドリストの準絶滅危惧種。この日は、県職員や県鳥獣保護管理員らが諏訪湖とその周辺13河川の水鳥の個体数を調査し、カンムリカイツブリの群れを確認。調査は毎年1、6、10月に行っているが、1月の調査ではほとんど確認されたことがなく、千羽以上の確認は初めてとみられる。
調査後、調査員たちは「珍しい。びっくりした」「今年は暖かいからかな」などと原因を推測し合った。同所は「今年と同様にほぼ結氷しない年もある。はっきりした理由は不明」としている。
この日の調査では、1月のコハクチョウの数が1993年以降で最も少ない3羽だったことが判明。諏訪湖白鳥の会は「新潟など北の方で雪が少なく、餌に困らないために南下する数が少なかったのではないか」としている。