1921(大正10)年に建てられた平湯

1921(大正10)年に建てられた平湯

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諏訪「平湯」100年祝おう 映画ロケ地の共同浴場

信濃毎日新聞(2020年2月15日)

 諏訪市小和田の共同浴場「平湯(ひらゆ)」は来年、1921(大正10)年の建物完成から100周年を迎える。管理する平温泉組合の鉄羅(てつら)康夫組合長(75)は節目を記念し、普段は組合員しか入浴できない湯に一般の人が体験入浴できる催しなどを構想。「いいふろの日」の今年11月26日までに複数の事業を開く予定。4月の組合総会に諮って正式に決める。

 平湯は木造一部2階建ての洋風の外見が特徴。古代ローマと日本の風呂文化を取り上げた映画「テルマエ・ロマエ2」(2014年公開)のロケ地になるなど、歴史と風情が多くの人に愛されている。

 鉄羅さんは既に体験入浴の記念グッズを制作した。組合員は湯に入る際に専用の木札を見せる必要があるが、複数の組合員の家から小判の形をした真ちゅう製の札が見つかったことにヒントを得た。鉄羅さんは「建設の際に、大口の寄付をした人に渡したのではないか」と推測。この札を模した金属製のはんこを作り「入浴体験一〇〇周年記念」などと文字を彫った。木の板に焼き印して、来場者に渡す予定だ。

 建設当時、組合には約800戸が加入していたが、現在は約140戸にまで減少。組合員の高齢化も進んでいる。鉄羅さんは「風呂は多くの人にとって癒やしの場で、健康にもいい。これからも残していく―という気持ちで100周年を祝いたい」と話した。

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