富士見町と伊那市にまたがる入笠山(1955メートル)の周辺が初夏を迎え、さまざまな色の花が新緑に彩りを添えている。同町の入笠湿原(1734メートル)ではレンゲツツジの淡い赤い花や、ニホンスズランの白い花が咲き誇る。ゴンドラ山頂駅(1780メートル)近くでは、クリンソウや希少な釜無ホテイアツモリソウが楽しめる。蜜を求める虫ばかりでなく、かれんな花を目当てに多くの人が訪れている。
スキー場などを営む「富士見パノラマリゾート」によると、4月に降雪もあり、全体的に開花はやや遅め。最近の暑さで咲き具合は例年並みになった。
ゴンドラ山頂駅近くの「入笠すずらん山野草公園」では、釜無ホテイアツモリソウの紫色の花が目を引く。アサギマダラがふわふわと舞い、草陰で羽を休めていた。
16日は昼すぎでも気温が20度を下回った。散策を楽しもうと山仲間7人と同駅に降りた小山賢治さん(70)=埼玉県所沢市=は「アツモリソウがきれいだった、クリンソウの赤い花も鮮やかでいい。この時季でないと見られない花なので来てよかった」と笑顔で話した。