御代田町の浅間縄文ミュージアムは、5千年前の縄文時代に生きた女性を再現した模型を展示している。3月に完成したものの新型コロナウイルスの影響で休館が続き、今月中旬に本格的なお披露目となった。専門家の知見も踏まえたという精巧な出来栄えで、来場者は感心した様子で眺めている。
国立科学博物館(東京)の馬場悠男名誉研究員(人類学)が監修し、出土した縄文人の遺骨やDNA情報を基にして作った。繊維強化プラスチック製で、身長は当時の女性の平均とされる147センチ。二重まぶた、高い鼻といった縄文人の特徴的な顔つきを再現している。縄文人に近い骨格とされる現代人から取った歯型を使って歯を仕上げ、髪や眉は人毛を使うこだわりぶり。二十歳前後で子どもがいる―との設定で、愛称は「ゆきえ」と名付けた。
27日、町外から訪れた自営業の男性(43)は「リアルで動きだしそう。声を掛けられたら思わず付いていきそうです」と見入っていた。
製作費は285万円。県の地域発元気づくり支援金を一部活用した。入館料は大人400円、小中高生200円、未就学児無料。問い合わせは同ミュージアム(電話0267・32・8922)へ。