東信地方の二つのチーズ工房が、国産ナチュラルチーズの品評会「ジャパンチーズアワード2020」で各部門の金賞を受賞した。佐久市望月の「ボスケソ」がソフト/ウォッシュ部門で最優秀部門賞・金賞に、東御市新張の「アトリエ・ド・フロマージュ」も青カビ部門で金賞に選ばれた。
品評会はNPO法人チーズプロフェッショナル協会(東京)が2年に1度開き、4回目。チーズの種類ごとの21部門に、全国の78工房が計233点を出品した。
ボスケソは地元春日温泉の温泉水を表面に塗り付けながら熟成を重ねたチーズ「KASUGA(かすが)」が受賞した。地元の牧場の牛乳で造ったチーズで硫黄のような香りの外皮をまとう。濃厚な味わいで舌の上でさらさらと溶ける食感が特徴という。
2018年に続き、2回連続の最優秀部門賞受賞に代表の是本健介さん(50)は「日本は年々チーズのレベルが上がっている。ほっとした思い」としている。
アトリエ・ド・フロマージュは、ブルーチーズ「翡翠(ひすい)」が受賞。工房チーフの塩川和史さん(40)が、欧州のブルーチーズのような力強さのある味わいを目指し、「うま味を凝縮させた」という。17年から少量生産し、前回は銅賞だったが今回、金賞を受賞。塩川さんは「自分のわがままを詰め込んだチーズ。目標の金に引き上げられ、自信になった」と話している。