福井県勝山市出身の歴史学者平泉澄の直筆原稿を初公開している福井市立郷土歴史博物館の館蔵品ギャラリー

福井県勝山市出身の歴史学者平泉澄の直筆原稿を初公開している福井市立郷土歴史博物館の館蔵品ギャラリー

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勝山出身の歴史学者・平泉澄 原稿、和歌の書を初公開

福井新聞(2021年2月3日)

 福井県勝山市出身の歴史学者で東京帝大教授を務めた平泉澄(きよし)(1895~1984年)の直筆原稿や和歌の書の掛け軸が、福井市立郷土歴史博物館の館蔵品ギャラリーで初公開されている。3月7日まで。

 直筆原稿は、最晩年の83年にしたためた「春嶽公記念文庫名品図録」の序文。松平春嶽の偉大さは、橋本左内を抜てきした聡明(そうめい)さや、残酷な処刑を行わなかった有徳さにあるとしている。春嶽の三男慶民(よしたみ)の求めで、生前の春嶽を知る渋沢栄一を慶民に紹介したエピソードもつづっている。

 和歌の書の掛け軸は、明治維新100年を前に詠んだ「嗚呼(ああ)明治九十九年なり日の本のむかしの光想いいでずや」。「中世における社寺と社会との関係」「我が歴史観」「武士道の復活」など著作約50冊や和歌色紙4枚、遺影アルバムも展示している。

 平泉は「国体護持」のための歴史を説き続け、「皇国史観」の代表的な学者とされる。定年前最後の展示に平泉を選んだ角鹿尚計館長(60)は「平泉先生自身が『皇国史観』という言葉を使ったことはなく、美しい文章の著作を読めば読むほど、国や自然、歴史、文学を愛した学者であり人格者と分かる。著作を読み、郷土の学者として公平に評価してほしい」と話している。

 館蔵品ギャラリー「平泉澄博士の国史研究」は観覧料220円。

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