茅野市のシェフ藤木徳彦さん(49)が30日、母校の駒場学園高校(東京都世田谷区)食物調理科の授業で、野生鳥獣肉(ジビエ)を巡る現状や調理方法を教えた。将来、料理の仕事を希望する3年生たちに理解を深めてほしいと、目の前で鹿肉もさばいた。
藤木さんは東京都出身で、日本ジビエ振興協会(茅野市)代表理事。農作物の被害防止を目的に捕獲頭数は増えているが食肉利用は1割以下と説明し、「ジビエは純国産の野生の恵み。捨てている命をどうにかできないか」と語った。富士見町から運び込んだ鹿肉はロースや外もも、内ももなどに切り分け、生徒たちもさばく体験をした。
「パックの肉を扱うのとは違い、命をいただいているという実感が湧く」と関口大和さん(17)。生徒たちは試食し、各部位の食感や味を確かめた。鹿肉のポワレも作り、藤木さんが仕込んだ唐揚げやテリーヌ、スープなどと合わせ、みんなで味わった。