県立美術館(長野市)で21日、28日からのグランドオープン記念展「森と水と生きる」に出展する現代美術家の大小島真木(おおこじままき)さん(34)が巨大なクジラを題材にした作品の展示作業をした。美術館の運営を支援する市民有志らも加わり、展示方法などのアイデアを出し合った。
都内を拠点に活動する大小島さんの展示作品「鯨の目」は、太平洋に浮かぶクジラの死体を目にしたことをきっかけに、生命の循環や海の豊かさに思いを巡らせて制作したシリーズ。大小島さんは「クジラの化石が出土していて、信州もさかのぼれば海だった場所。今ある自然は当たり前ではなく、生命の連鎖上に成り立っていると伝えたい」と意気込む。
作業は19日に始まり、21日は市民有志3人が参加。約15メートルのクジラを再現した作品をつるすアイデアを出したり、回遊しているように作品の位置を調整したりした。長野市の会社員横川七海さん(27)は「作家さんの意図を聞ける貴重な機会。作業に携わると展示にも愛着が湧く」と話していた。
記念展は28日から11月3日まで(休日を除く毎週水曜日休館)。問い合わせは県立美術館(電話026・232・0052)へ。