甘酒に漬けたシルクスイート焼き芋を考案した花岡さん

甘酒に漬けたシルクスイート焼き芋を考案した花岡さん

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「甘酒漬け焼き芋」とろっとろ 岡谷でシルクスイート使い新商品

信濃毎日新聞(2021年12月10日)

 岡谷市大栄町のみそ・こうじ製造販売の若宮糀(こうじ)屋が、サツマイモの品種「シルクスイート」を甘酒に浸して焼いた「甘酒漬け焼き芋」の販売を始めた。製糸業で栄えた「シルク岡谷」の名に通じるとして市などが普及を進める品種と店の自慢とを組み合わせたところ、ほんのり甘酒の風味が漂う味に仕上がった。

 シルクスイートは群馬県の種苗会社が2012年に開発。市などは苗を農業団体に提供し、栽培を広げている。興味を抱いた若おかみの花岡慶子さん(42)は、市民農園を借りて栽培したり、市などによる収穫体験に参加したりしてきた。新型コロナで在宅時間が長くなり、食に楽しさを求める消費者が増える中、この芋を使った新商品づくりに着手したという。

 開発に当たり、芋を使った菓子などを提供する諏訪市のカフェに相談。糖度が高く、とろっとした濃厚さが特徴の若宮糀屋の甘酒を生かすため芋を甘酒に浸すことにした。試作は11月から開始。一日以上浸して焼き上げると「芋がとろとろとして甘みがさらに増し、皮には甘酒の風味が移った」(花岡さん)手応えのある商品ができた。

 市内では他にも、障害者施設が焼き芋にして販売するなどシルクスイートが浸透してきている。市などでつくる市農業技術者連絡協議会は今年から、11~2月の毎月16日を「おかやシルクスイートの日」と定め、さらなる普及に乗り出している。

 市内の芋の生産量はまだ限りがあり、同社では市外の農家から仕入れることもあるが、「シルクスイートの日」は岡谷市産のシルクスイートを使って販売する。花岡さんは「まずは岡谷の人や諏訪地方の人に浸透し、観光客にも味わってもらえるようにしたい」と話す。

 若宮糀屋の動きを機に、同協議会は「新たな商品開発の動きがさらに広がり、栽培者の増加につながるといい」と期待する。来年には、市内のカフェなどがシルクスイートを使った料理などを提供するフェアも計画。若宮糀屋も参加予定だ。

 甘酒漬け焼き芋は、税込み350円から。平日午前11時半ごろに焼き上げる。

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