「幻のイチゴ」ともいわれる希少な小諸市産「御牧いちご」の植え替え作業が13日、宿泊ツアー客約20人が参加して「こもろ布引いちご園」(小諸市)であった。市、同園、軽井沢プリンスホテル(軽井沢町)が官民の連携で御牧いちごの復興を目指すプロジェクトの一環。昨年の始動後初めて、一般の人が参加する催しとなった。
御牧いちごの起源は室町時代にさかのぼるともいい、果肉は芯まで赤く、強い酸味と香りが特長。2007年に「信州の伝統野菜」に選定されている。今回はSDGs(持続可能な開発目標)を学ぶ同ホテルの宿泊プランに植え替え作業を盛り込み、27日までに3回、プラン利用客に作業を手伝ってもらう。
13日はJR東日本(東京)の首都圏の社員らが同プランを利用し、宿泊した軽井沢プリンスホテルウエストからバスで同園に移動。御牧いちごの特徴や歴史の説明を受け、ビニールハウス内の棚に並んだプランターの土を小さな熊手で掘り起こし、別のハウスで育てた親苗を植えた。
苗は9月に再び植え替え、来年6月ごろ収穫できるという。横浜市から参加した秋月克仁さん(23)は「貴重な苗だと聞き、不慣れながらもいい体験をすることができた」と満足そうに話した。