上田市武石地域で「武石おねり秋まつり」が１１月３日に開かれる。７年目に１度の地元の子檀嶺(こまゆみね)神社御柱祭（市無形民俗文化財）で行ってきた「おねり行列」が、今年は新型コロナによる御柱祭（４月）縮小で中止となったことから、伝統文化の継承を危ぶんだ有志らが開催を決めた。

　武石おねり保存会などでつくる実行委主催。文政年間（１８１８～３０年）に始まったとされるおねり行列は住民ら約７０人が武士や「やっこ」などに扮(ふん)し、市武石地域総合センターから子檀嶺神社までの１キロほどを練り歩く。小学５、６年生が「小長刀(こなぎなた)」として加わり、中学１、２年生が笛や太鼓で参加する。

　今春の開催中止で、このままだと次の御柱祭まで１０年以上の空白期間が生じることになるため、関係者らは臨時でまつりを企画した。午前８時４０分から同センターで太鼓演奏などがあり、同９時半に行列が出発。雨天時は同センター内でおねりの一部を披露する。保存会事務局の半田真一・武石公民館次長は「演者は７月から練習を重ねている。成果を見ていただきたい」と来場を呼びかけている。

　より多くの人に訪れてもらおうと、当日は同センター周辺の広場でキッチンカーの出店、地元団体による歌や音楽、ダンスの発表、毎年恒例の「生活祭」もある。「武石風土つなぎ隊」は広場近くの交流拠点「つなぐ家」で特製まんじゅうを販売。「地域と音楽をむすび隊」は同センターでサックス奏者ＵｋｏＳａｘｙ（ユウコサクシー）さんのコンサートを開く（午後２時半開演。正午から整理券を配る）。