上田市池波正太郎真田太平記館で24日、池波さんの小説「雲霧仁左衛門」に登場する舞台を巡り、現在の様子を撮影した写真展が始まった。江戸幕府の火付盗賊改と、大盗賊の仁左衛門率いる雲霧一党との攻防を描いた作品で、東京都や愛知県、三重県で市職員が撮影した21枚を中心に、池波さん直筆の原稿、資料も展示している。
同館によると、都内で撮影した市谷亀岡八幡宮は、小説では境内に料理茶屋がある設定。雲霧一党がここで火付盗賊改の内通者と密談したところ火付盗賊改に悟られ、仁左衛門が内通者を切り捨てる印象的な場面がある。
三重県桑名市の多度神社は雲霧一党が門前町の土産物屋に拠点の一つを構えたとの設定で、写真は近くの老舗の鯉料理店を撮影した。江戸中期の創業で当時の雰囲気をほうふつさせ、池波さんも利用していた店という。
来年2月26日まで。一般400円、高校・大学生260円、小中学生130円。水曜休館(1月25日開館)。今月29日~1月3日と同10、26日、2月13日も休館する。