御代田町御代田の水彩画家、橋本不二子さん(88)が浅間山麓の草花などを描いた画集「Recollection(リコレクション)」をまとめ、信濃毎日新聞社から出版した。失われつつある自然を絵に残したいと描いてきた中から70作品余を収めた。橋本さんは「絵で描くことで植物が持つ生命力を表現できる」と絵で伝える魅力を話す。
橋本さんは神奈川県出身で、フリーのグラフィックデザイナーとして大手企業や官庁の印刷物などのデザインを手がけた。54歳の時に水彩画家に転身。約20年前に軽井沢町に別荘を持ち、その後、御代田町に移り住んだ。
3年ほど前、浅間山の環境保護団体のメンバーから保護したリンドウを絵にしてほしいと依頼され、作品にした。これをきっかけに、木の伐採などで緑が減っている浅間山麓の草花の美しさを残したいと思うようになった。以降、同団体のメンバーらが持ち寄る植物を描いてきた。
画集はフルカラーで112ページ。リンドウの他、ススキやホトトギス、オケラなどを描いた。回想や想起といった意味のタイトル「リコレクション」には、子ども時代など過去を振り返るきっかけにしてほしいとの思いを込めた。植物にまつわる思い出をつづったエッセーも載せた。
30日まで、小諸市立小諸高原美術館・白鳥映雪館の市民展示室で作品展を開催している。入場無料。午前9時~午後5時で月曜休館。8月11~27日には松本市の信毎メディアガーデンで画集販売記念作品展も開く予定。画集は税込み2750円。書店やネットなどで購入できる。
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