水産品加工卸販売の丸市食品(本社福井県福井市高木中央3丁目、勝木雄次社長)の贈答品「MSC認証 美飾遊膳 辛子明太子(めんたいこ)」が、飲食料品などの国際品評会「モンド・セレクション」で3年連続の優秀品質金賞を獲得した。福井商工会議所によると、県内の水産加工品で3年連続の金賞受賞は初めて。良質の原料を厳選して調達していることや、独自の加工技術と熟練の手仕事で生み出す弾けるような"つぶつぶ感"が高評価を受けた。
同社はアラスカやロシアに足を運んで原料のスケトウダラの卵を買い付けており、金賞に輝いた辛子明太子の原料は「MSC認証」を取得しているものを仕入れている。同認証は漁業資源の環境保全のため、適切な管理下で漁獲されたことを示し、海のエコラベルと呼ばれる。
食感や食味は「ふっくらとしながら一粒一粒の粒子感が感じられる上品な薄味仕立て」(同社)が特長。シンプルな味付けの調味液に漬け込み、96時間以上熟成させている。アレルギー症状が出る原料は避け、大豆の代わりに魚醤(ぎょしょう)を使うなど研究を重ねてきた。
同商品は3年連続の金賞によって「インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィー」も獲得した。このほどポルトガルのリスボンで行われた授賞式に出席した勝木社長は「形を整えたりするのは、やはり手仕事で、何十年も働いてくれる熟練のパートさんらのおかげ」とスタッフを称賛。「安心安全で高品質の商品を福井のお客さまに、もっと知ってもらえるよう発信していきたい」と話していた。
MSC認証の辛子明太子は450グラム入りで、税込み4860円。100グラム入りの商品や、たらこも取り扱う。本社工場に併設する直営販売店「まるいち つぶうま本舗」などで販売している。
同社は1980年設立。2012年に東京事務所を開設するなど販路を拡大し、近年は年間1千トンを生産する。国内では大手スーパーなどに、海外では東南アジアをはじめ、オーストラリアやロシアでの販売に力を入れている。