JR中央東線の特急「あずさ」が1966(昭和41)年12月12日の運行開始から50年になるのを記念し、JR東日本は17日、新宿―松本間で臨時の団体列車を走らせた。2002年まで定期列車に使用されていた車両が往復。首都圏を中心とする約250人を乗せて午後1時に松本駅に到着すると、鉄道愛好家らが熱心に往年の姿を写真に収めた。
こぶが突き出たような運転室が特徴の189系で、塗装はクリーム色、窓の周りは赤い帯の「国鉄色」をまとっている。新宿駅を午前8時2分に出発した後、山梨県内の駅で停車し、ヘッドマークの表示を「ムーンライト信州」「修学旅行」などと変更する催しもあった。
諏訪地方では、県内外から駆け付けた鉄道愛好家が沿線各地に陣取り、通過する列車にカメラを向けた。岡谷市長地権現町の踏切で撮影した神奈川県藤沢市の会社員笠原広和さん(58)は「50年の節目にいい写真を撮ることができた」と満足そうだった。
松本駅でホームに降り立った東京都のダンサー鈴木詠翔(えいしょう)さん(21)は「小学3年の時、初めての一人旅で乗った特急があずさだった。いろいろな思い出がよみがえった」。家族と一緒にホームで列車を迎えた松本市の百瀬颯大(そうた)君(6)は「古い電車が好き。国鉄色を見られてうれしい」と喜んでいた。