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「玉繭」無駄なく真綿や着物に 先人の技術、岡谷で紹介

信濃毎日新聞(2021年4月26日)

 岡谷市立岡谷蚕糸博物館は、製糸の原料に適さない「玉繭」をテーマにした企画展を開いている=写真。通常は1匹の蚕が1本の糸を吐いて繭を作るが、玉繭は2匹が一緒に1個の繭を作る。糸にすると繊維が絡んでできた節がある。企画展では、玉繭の糸で作った着物など約40点を並べ、廃棄するのではなく玉繭を工夫して使った先人の知恵を紹介している。

 同館によると、玉繭は身近な防寒具や風合いのある着物などの原料に活用されてきた。玉繭の利用方法には、煮て綿状に引き伸ばした「真綿」がある。会場には真綿や着物の他、真綿から糸を紡ぐ機械などを展示している。

 同館の担当者は「玉繭を使えないから駄目なものとするのではなく、先人は創意工夫で使ってきた。現在の持続可能な社会を考える面での参考になるはず」と来館を呼び掛けている。7月11日まで。問い合わせは同館(電話0266・23・3489)へ。

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