県や地元自治体がサイクリングロードの整備を進めている諏訪湖の周りで9日、二つのサイクリングイベントが開かれた。岡谷市出身の童画家武井武雄(1894〜1983年)が戦前に関東地方で開いた自転車の催し「JAZOOMANIA(ジャズマニア)」が再現され、約20人が湖の周りを1周。県諏訪地域振興局は、自転車を活用したまちづくりを進める静岡県・浜名湖周辺の市民団体代表らを招き、諏訪湖や近くの名所を巡る計約40キロを走り、意見交換会を開いた。
ジャズマニアは、岡谷市のおかやブランドプロモーション協議会が主催。参加者は、武井作品を収蔵する同市イルフ童画館を発着点に、好天に恵まれた湖周約16キロを進んだ。湖畔に自転車を止めて風景をスケッチする時間も設けた。
一方、意見交換会は諏訪市で開き、約50人が参加した。諏訪郡下諏訪町で観光客と名所を巡る「ガイドサイクリング」の実現を目指す旅館業の小口正史さん、浜名湖サイクルツーリズム推進会議座長の田中孝治さんらがパネル討論した。
田中さんは行政の補助金に頼らずに催しを重ね、愛好家を受け入れる雰囲気を高める必要性を説いた。その上で、「自転車の活用をビジネスとする企業や組織を地元でつくって」と呼び掛けた。