諏訪市湖岸通りのサンリツ服部美術館は4月19日まで、収蔵する中国陶磁器を技法やモチーフ別に分けて紹介する企画展「中国のうつわと人」を開いている。白と黒の釉薬(ゆうやく)を重ねて描く技法「黒花(こっか)(刻花)」で作られ、白と黒の対比が美しい作品など43点を並べた。
文学のように六つの「章」で分けている。黒花は第6章「永遠の強さ」で展示した。黒い部分を削って絵を描いており、縁起の良い竜と鳳凰が両面にあしらわれた「白釉(はくゆう)黒花龍鳳文扁壺(りゅうほうもんへんこ)」が目を引く。
第2章「人と馬の絆」では、唐の時代に盛んだった褐色や緑、藍色が特徴的な手法「唐三彩」を紹介。貴族の墓に埋められたとされる、馬や少女をかたどった3点の造形作品などがある。
「古の記憶」と題した第3章では、紀元前16〜11世紀の殷(商)時代の祭祀(さいし)用の青銅器などを集めた。企画展で最も古い時代の作品で、神獣の顔を強調した文様が特徴だ。美術館学芸員の岸田陽子さん(31)は「多彩な技法を比べてほしい」と話していた。
祝日を除く月曜が休み。大人800円、小中学生400円。