諏訪大社下社の夏の遷座祭「お舟祭り」が1日、下諏訪町内で開かれた。ご神体の御霊代(みたましろ)を、春宮から秋宮へと移す神事。氏子らは、重さ約5トンの「柴舟」を約2キロにわたって勇壮に引いた。
春宮で農耕を見守った神が、秋宮へ戻るとの信仰に基づく。御霊代を載せたみこしに続いて曳行(えいこう)される柴舟には翁(おきな)と媼(おうな)の人形が載せられ、上社の男神と下社の女神が諏訪湖を舟で進む様子を表すともいわれる。
祭事に奉仕する「御頭郷(おんとうごう)」は今年、茅野市豊平・泉野・玉川地区が担当。1500人以上の氏子は、木やり唄(うた)に合わせて「よいさ、よいさ」と声を合わせて柴舟を引いた。
祭りの実行委員会などは6月、昨年に続き、進行を妨げる人物の排除を決議して臨んだ。県警は約80人を動員し、警備に当たった。実行委によると、7月31日の「宵祭り」と合わせ、地元住民や観光客ら延べ約8万人の人出があった。